FuTenAdventCalender2019

大教大附属天王寺中学生・高校生によるアドベントカレンダー、FTACの2019年版です

新喜劇の裏側に迫る

 

〜はじめに〜

みなさま、毎日笑っていますか?笑うということは人間にしかできない特権ですので、たくさん笑って過ごしたいですね。笑うことでガン予防になったりするとかなんとか。興味があればちょっと調べてみてはいかが。

ところで、我ら高校1年C組は附高祭で吉本新喜劇をテーマにした、"岩崎新喜劇(?)"を舞台で発表しました。今回は"岩崎新喜劇"の魅力、さらには"吉本新喜劇"の魅力を知っていただくために、比較しつつ紹介していきたいと思います。

 

1.脚本の制作

〔1C新喜劇〕
僕は大好きな吉本新喜劇を参考にしながら、なんとなく脚本を書きました。みなさんが吉本新喜劇でよく見る"あんなネタ"や"こんなストーリー"を中心に、僕自身やクラスの友達が考案したネタや展開(オリジナル)を盛り込んで、観客が楽しく笑えるように考えました。オチの部分はかなり重要。練習の合間にみんなでストーリーを考えました。ちゃんとした脚本制作が初めてだった私、作るのにどれだけ時間がかかったか。最終的な脚本が完成したのは本番の2週間前だったはず。

吉本新喜劇
吉本新喜劇は3つの劇場で、4人の座長を中心に毎日公演があります。1つのストーリーで1週間公演を行い、終わればまた新しいストーリーで公演を行います(年中無休です)。つまり、どんどん新しい脚本が作られているわけですが、一体どのように作られているのでしょうか?
昔は演出家の方が作っていたそうですが、今はほとんど座長さんがその仕事をしているようです。毎日打ち合わせ。毎週のように新しい脚本を作るなんて、大変です。

2.脚本の内容

〔1C新喜劇〕
(シーンA)
すち子:飴ちゃんあげるから許して。
ちょっと待って、日課があるから
従業員:日課
すち子:そーれ!〈飴を撒く〉
従業員:ちょっとさっきから誰に飴撒いてんの
すち子:トイプードルです
従業員:トイプードル⁉︎寄ってくるからやめや
すち子:以後気をつけます

やはり飴撒きは好評でした。本当に飴を撒くと思っていなかった人も多かったみたいですね。吉本新喜劇でもこれは定番ですね。"トイプードル"は、なんとなくです。

(シーンB)
常連客:(従業員)さん、お久しぶりです。
今年も会えて嬉しいです!
従業員:僕も嬉しいです!
常連客:友達とここで待ち合わせしてるんです
まだ来てないですか?
従業員:まだみてないですね〜
常連客:まだかな〜
→〈(友達)登場〉

この部分はオリジナル。すち子さんの段ボール登場に続いて、ミニオンらしきモノも段ボールから。別のところから出てきた方が良かったと思いますが、予想を裏切ることができていたなら、ちょっと嬉しいですね。(ミニオンぽいやつの出方が完璧でした)

(シーンC)
子分2:〈ギター弾く〉
子分1:借金を返さなけりゃ
お前を車に押し込んで
山奥に連れ込み Let it be~
山小屋の中でお前をロープで縛り上げ
少しずつ Let it be~
兄貴:あほ!

これも吉本新喜劇の定番ギターネタ。借金取りたちの破壊力が抜群でした。1Cは男女コンビだったので、すち子&真也のネタを採用。

ここまで1C新喜劇ポイント3つ。「こんなんあったなぁ」って思ったかしら。

吉本新喜劇
吉本新喜劇は舞台発表よりもかなり自由に感じます。1Cの飴巻きもギリギリOKでしたから、舞台発表は厳しいなぁと思うばかり。

(シーンA')
一の介:安世、お前にはワシがいてるやないか
安世:そうね、いっちゃんと比べたら、あんな
しょーもないヒョロヒョロでブサイクで
口臭い男なんてどうでもいい
小籔:なんやと!
〈コップに入った水を一の介にかける〉

("潜入先はお水の世界!?" より)

このあと一の介さんはまた水をかけられていました。("潜入先はお水の世界!?" より)
これは脚本にあったわけではなく、アドリブだとは思いますが、このリアルな現場の混乱と臨場感が壮大な笑いを生むんやなと思います。

(シーンB')
アキ:サキさん、あの幸せの鐘を2人で鳴らし
に行きましょう
サキ:ちょっと、、、
アキ:ダメなんですねわかりました
じゃあ伊賀、リハーサルしに行こ
伊賀:わかりました
アキ:リハーサルしてくる
〈2人は階段を上る〉
アキ:伊賀、リハーサルするよ
サキさんがね、まずこれを…
〈茂造が杖で壁を叩くと階段が滑り台に
→伊賀が滑り落ちる〉
茂造:新幹線やからめっちゃ速いなあ!

("茂造の真夏のシークレットラブ" より)

吉本新喜劇だと、こんな大掛かりな舞台セットも現実にしてしまいます。特に茂造さんが座長だったときの回では、工夫の凝らされた道具がたくさんありましたね。これからも見れるのでしょうか? 盛大に道具を使うと、笑いも盛大になりますね。

やっぱり自由な表現ができると、その分盛り上がりも増すと思います。もうちょっと自由にやりたかったです。

3.練習

〔1C新喜劇〕
ちょっとしたイントネーションや、話す速さ、セリフ間の時間までも厳しく確認しつつ、自由にしたい部分は各キャストのやりたいイメージ通りに演出を決めました。やっぱりすぐには完成できず、本番ギリギリまでみんなで特訓してました。練習は、やっている方も見ている方も楽しさがいっぱいで、道具係や照明の係も大笑い。教室が常に笑いに包まれていました。

吉本新喜劇
1週間、同じ演目をやり続けるための練習時間はとても短いようです。初日の前日の夜に練習が始まり、2時間ほどで読み合わせを終え、そこで一旦帰宅。当日に1回、舞台で通したあと本番を迎えるようです。たったこれだけの練習であれだけのことができる"プロ"は本当にすごいんだと、自分たちで新喜劇を作ってから初めて思い知らされました。

4.盛り上がり

〔1C新喜劇〕
予想以上に会場が盛り上がってくれました。舞台袖で大笑いしても、音響照明の部屋で大笑いしても全然平気なくらいだったようです。土曜日のお昼のテレビ、"よしもと新喜劇"を見てくれている人も多かったみたいで、テレビで見るより面白かったと言ってくれた人もいました。が、ここで言いたいのは1Cがテレビのより面白かったということではありません。

吉本新喜劇
吉本新喜劇とは、テレビで放送されているものも含め、全国で公演されているものを指します。会場へ行けば、実際のすち子飴をゲットできたり、出てきた新喜劇俳優を目の前にし盛り上がることだって多々あります。そうです、テレビで見るより劇場で見ることをオススメしたいのです。劇場の吉本新喜劇を見てもらえれば、1Cのよりも"本物"のすごさが体感できると思います。

吉田裕:わーおい、わーおい、わーおいおい、
こーへんのかい
くんのかと思ったらこっちこーへんの
かい、くんのかと思ったらこっちこー
へんのかい、くんのかと思ったらこっ
ち、こーへんのかい!
なんか喋れやお前も!おー?!
すっちー:〇〇〇〇

定番ドリルすんのかいせんのかいの最初の部分。〇〇〇〇の部分はたくさんのレパートリーがあります。例えば、「(吉田裕の髪の毛を指して)ヘルメットを脱ぎなさい」(吉田裕は髪の毛が多い)や、「これはフェルトですか?」(吉田裕は髪の毛が多い)や、「これはノリ弁当ですか?」(吉田裕は髪の毛が多い)とか。劇場で見たときにどのセリフがくるのかと期待するのが僕の楽しみ方の1つ。くんのかと思ったらこーへんときもあります。
まあ楽しみ方は人それぞれとして、テレビで見るのはもちろん楽しいですが、劇場に行くとテレビ以上のもの、1C以上のものが見れてしまうという。簡単に言えば最高ということですな。

〜おわりに〜

思っていた以上に長くなりましたが、魅力が伝わりましたでしょうか?まだまだ喋り足りない部分はありますが、魅力をお伝えするいい機会になりました。
60年の歴史がある吉本新喜劇は本当に凄いです。でも、たった1日のための1C新喜劇も確実に凄いです。
今ちょうど、舞台発表のビデオが回っているらしいですね。吉本新喜劇を、そして1Cの新喜劇を是非もう一度お楽しみください!